張り出し足場とは?特徴と足場の組み立てに使う資材をご紹介
足場のTIPS
張り出し足場とは?特徴と足場の組み立てに使う資材をご紹介いたします。
今回は仮設資材の張り出し足場についてご紹介いたします。
張り出し足場は、くさび緊結式足場、単管足場、枠組足場など他の足場と比べると特殊な足場ということもあり、あまり縁のない職人さんも多いかもしれません。
今回は建設現場などに設置される張り出し足場とはどういったものかや、特徴と足場の組み立てに使う資材について詳しくご紹介いたします。
張り出し足場とは
張り出し足場とは、隣接して既設の建物があったり、工事中の建物と道路との間が狭い等の理由によって、地上から建地等を立てられない場合に、工事中の建物の躯体から外側に張り出し材を取り付けて、その上にくさび緊結式足場等を組み立てる構造の足場を指します。
張り出し材には、主にアングル材をトラス状に組んだ足場ブラケット・アングルブラケット等を使用します。また、これら張り出し材は、主に躯体へアンカーボルト等で取り付けられます。
張り出し足場の支持台は、解体作業時にアンカーボルトの食い込みにより同部をガス溶断して撤去する場合があります。
この張り出し材は、建設・工事中の建物に巨大なブラケット材を取り付けてベランダのようなもの設置することを想像してもらうとイメージしやすいです。
ブラケット材のような構造になっており、上に立つ本足場の全荷重を一手に引き受けることになるので、張り出し材は張り出し足場の生命線となります。
足場ブラケットを使用する際の注意点
張り出し足場を組むような現場は、いずれも作業場が悪条件下にあり、構造的にも特殊な足場となっているので、事前に取り付け部分の強度の計算など、設置環境の検討をすることと、作業に当たっての細心の注意が必要とされます。
- 足場ブラケットは、外部足場の基礎に相当するものです。施工の際には、十分な強度検討が必要になります。
- 改修工事等で後付けアンカーを使用しなければならない場合は、計算により求めた引抜き力やせん断力に対して十分安全であるものを使用してください。なお詳細については、各専門メーカーにご相談願います。
張り出し足場の特徴
張り出し足場最大の特徴は、躯体に打ち込んで本足場を設置するための土台となる「張り出し材」の存在です。
- メリット
- 足場設置のスペースが十分になくても設置できる
- デメリット
- 構造が特殊であるため、設置に際して綿密な計算が必要
- 非常にデリケートな足場であるため、足場の組み立てと使用の両方の作業で注意が必要
張り出し足場からの墜落防止対策
樋門工事の躯体鉄筋組立作業において、外部足場内側にブラケット足場を設置し、作業床としているが手すり等がない場合は親綱、安全帯等の墜落防止対策(※)が必要です。
※安全帯についてはこちらのコラムで詳しく説明!
安全帯使用箇所において親綱等の設備がない事例をよく見かけますが、移動の際に安全帯掛替時に墜落したり、掛替するのが面倒でついつい安全帯を使用しないで墜落する事例が多いので必ず親綱を設置しましょう。
張り出し足場の関係法令
労働安全衛生規則(作業床の設置等)
第519条
事業者は、高さが2メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある個所には、囲い、手すり、覆い等(以下この 条において「囲い等」という。)を設けなければならない 。
2.事業者は、前項の規定により囲い等を設けることが著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い等を取り外すときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は建設現場などに設置される張り出し足場とはなにか、役割や特徴、足場の組み立てに使う資材、注意点、関係法令などについて詳しくご紹介いたしました。
改めて張り出し足場のおさらいをしておきます。
隣接して既設の建物があったり、工事中の建物と道路との間が狭い等の理由によって、地上から建地等を立てられない場合に、工事中の建物の躯体から外側に張り出し材を取付けて、その上にくさび緊結式足場等を組み立てる構造の足場のことを張り出し足場といいます。
- 足場設置のスペースが十分になくても設置できる
- 構造が特殊であるため、設置に際して綿密な計算が必要
- 非常にデリケートな足場であるため、足場の組み立てと使用の両方の作業で注意が必要
ASNOVA編集部からのコメント
普段よく聞く足場と比べると特殊な足場ということもあり、あまり縁のない職人さんも多いかもしれませんが、隣接した建物があったり、建物と道路との間が狭いようなピンポイントに大活躍します。
#張り出し足場 #ブラケット #墜落防止対策