足場の筋交(ブレス)とは?なぜ必要?基本的な設置方法など紹介
足場の筋交(ブレス)とは?なぜ必要?基本的な設置方法など紹介いたします
筋交(ブレス)とは
筋交(すじかい)とは、柱と柱の間に斜めに挿して、建築物や足場の構造を補強する部材です。「筋交」「筋違」とも表記され、ブレスとも呼ばれます。
構造体の耐震性を強める効果があり、梁と梁、耐力壁で十分な強度が発揮できる場合を除き、建築基準法では一定の割合で筋交を使用することが義務づけられています。
柱と梁の形づくる長方形は、接合部の強度に余裕がないと、地震や暴風などの水平力を受けたときに平行四辺形にひしゃげるように変形し、建造物が倒れてしまいます。そのため、建物の柱と柱の間に土台から横架材に届くよう対角線状に筋交を加えて三角形の構造を作り、変形を防止します。
仮設工業会の「くさび緊結式足場の組立ておよび使用に関する技術基準」では、ビル工事用足場の筋交は、「足場の後踏み側の構面に」「全層全スパンにわたって設置すること」また、足場用鋼管を用いる場合は、「8層8スパン以下毎に交さ2方向に設置する。 その傾きは水平に対し概ね45°とし、足場用鋼管は緊結金具を使用して各緊結部付支柱に取付ける」と規定されています。
くさび緊結式足場における筋交の各サイズ
くさび
筋交の種類やサイズ、メーカーによってくさびの形は様々です。
Aタイプの筋交をもとに以下のサイズが挙げられます。
筋交(1800用)4コマ用
長さ2523mm
※斜めに架けた場合、縦1800mm横1800mmになります。
筋交(1200用)3コマ用
長さ1473mm
※斜めに架けた場合、縦1200mm横1200mmになります。
筋交(900用)2コマ用
長さ1249mm
※斜めに架けた場合、縦900mm横900mmになります。
筋交の使い方
2本の支柱の間と手摺の長さによって、使う筋交が決まります。
18手摺なら、1800用の筋交です。
メーカーによってコマへの挿し方に違いがあります。
筋交は手摺と違い、2本の支柱の間に土台から横架材に届くよう対角線状に筋交を挿します。そうすることで、横揺れに対する耐久性を高めます。
筋交の長さによってはコマのかける位置が異なります。
その為、2コマずらしの場合もあれば、3コマずらしの場合があります。
足場における筋交(ブレス)の種類
足場は常設建造物とは違って、一時的に利用されるため簡易に耐震性を図る必要があります。
そのため、構造体の耐震性を強めるために筋交は建築物に必要不可欠な部材です。
建築基準法は一定の割合で筋交を使用することを義務づけています。
単管足場の筋交は、「日本工業規格JISA8951」において、けた行筋交(大筋交)、はり間筋交、水平筋交の3種類が規定されていますが、くさび緊結式足場では、筋交は大筋交を指します。
筋交(ブレス)を設置する際の注意事項
- 筋交は全スパンにハの字型に入れる
- 足場の全層全スパンにわたって筋交を設置する
- 大筋交を足場用鋼管により設置し、その傾きは水平に対し概ね45°とし、足場用鋼管は緊結金具を使用して各緊結部支柱に取付ける
- 原則として、くさび緊結式足場用斜材を連続して設置する
- 一側足場を除き、X種のくさび緊結式足場用先行手すりを設置する
くさび緊結式足場用斜材は連続して間なく設置する事が必要なため、くさび足場式斜材を取り付けるときは特に注意が必要です。
両端の最下部にある緊結部を起点に全層全スパンになるように連続して取り付け、1構面を横から眺めて「ハの字」になるように設置します。
また、筋交には、単管足場用鋼管とくさび緊結式足場の専用部材のどちらを用いても問題はありません。
しかし、くさび緊結式足場の専用部材は、布板芯掛けの一側足場のような単管足場用鋼管では対応できなかった現場にも設置可能です。
まとめ
筋交とは、柱と柱の間に斜めに挿して、建築物や足場の構造を補強する部材で、「筋交」「筋違」とも表記され、ブレースとも呼ばれます。
構造体の耐震性を強める効果があり、梁と梁、耐力壁で十分な強度が発揮できる場合を除き、建築基準法では一定の割合で筋交を使用することが義務づけられています。
筋交を設置する際は、仮設工業会で設けられている設置基準の準拠して設置しましょう。
また、今回ご紹介した「筋交」はASNOVAが運営する仮設機材の総合ECサイト「ASNOVA市場」で取り扱っています。
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