足場の組み立てに係る4つの資格(とび技能士・足場の組み立て等作業主任者・足場の組み立て等作業従事者・建築物等の鉄骨組立て等作業主任者)
足場の組み立てに係る4つの資格(とび技能士・足場の組み立て等作業主任者・足場の組み立て等作業従事者・建築物等の鉄骨組立て等作業主任者)を紹介いたします。
足場を組み立てるには資格が必要です。
資格を取得した作業主任者の指示で作業する場合であったとしても、指示を受ける作業者は特別教育を受講しなければなりません。
特に、足場職人の親方として独立を考えているなら、経験を積みながら資格取得も目指していきましょう。
今回は足場の組み立てに係る4つの資格に関して詳しく説明していきます。
目次
とび技能士
とび技能士とは、国家資格である技能検定制度の一種で、職業能力開発協会が実施する、とびに関する学科及び実技試験に合格した者をいいます。
※鳶職に関してはこちらの記事をチェック!
名称独占資格なので、とび技能士資格を持っていない者がとび技能士と称することは禁じられています。
この資格を持つことで、とび作業の段取りから仮設建設物の組立・解体・土止めなどのとび職の仕事全般に関する技能が正式に認められます。
とび技能士の資格等級
とび技能士には1・2・3級と3段階の等級があり、それぞれの等級によって、受験資格と試験内容が異なります。
具体的には3級の受験資格は不問で、とび職として働くための知識が備わっていれば資格取得が可能です。
2級の場合、3級合格者または実務経験2年以上の方が対象になります。
※学歴によっては実務経験が不要の場合もあります。
1級の場合、7年以上の実務経験、2級合格後2年以上の実務経験、3級合格後4年以上の実務経験等あります。
どのレベルのとび技能士資格を取得しているかによって、条件が異なります。
※学歴によって必要な実務経験年数も異なります。
とび技能士の実技作業試験の内容
1級
丸太又は鋼管を使用して真づか小屋組の作業を行う。
そり(こした)にのせた重量物の運搬の作業を行う。
3種類の重量物の目測の作業を行う。
試験時間=2時間15分(丸太)、2時間5分(鋼管)
2級
丸太又は鋼管を使用して片流れ小屋組の作業を行う。
3種類の重量物の目測の作業を行う。
試験時間=2時間5分(丸太)、1時間55分(鋼管)
3級
枠組、単管及び木製足場板を使用して、枠組応用登り桟橋の組立てを行う。
試験時間=2時間
学科試験 ○×方式
とび技能士の受験資格
1級
・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験
※学歴により必要な実務経験年数が異なる
2級
・実務経験2年以上、または3級合格者
※学歴により実務経験が不要になる
3級
・不問
足場の組立て等作業主任者
足場の組立て等作業主任者は、労働安全衛生法に定められた作業主任者(国家資格)で,足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した資格取得者のことを指します。
つり足場、張出し足場又は高さが5m以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行う場合において労働災害の防止などを行う指揮監督者に与えられる資格です。
安全衛生管理体制に関する法令によって足場組立・解体作業などを行う場合に必要なことが定められており、作業責任者としての立場にキャリアアップするうえで欠かせない資格と言えます。
足場の組立て等作業主任者の受験資格
この資格を受講するためには、足場の組立て、解体又は変更に関する作業に3年以上従事した経験を有する者。
または、大学、高等専門学校又は高等学校において土木、建築又は造船に関する学科を専攻して卒業した者で、その後2年以上足場の組立て、解体又は変更に関する作業に従事した経験を有する者とされています。
未経験者の方でも3年以上の実務経験を重ねることでキャリアアップにもつながる資格を取得できます。
足場の組立て等作業従事者
作業従事者とは、作業主任者の指示のもと直接作業(組立・解体等)を行う人です。
労働安全衛生規則の一部改正(平成27年7月1日から適用)により、足場の組立て、解体又は変更の作業に関わる業務が特別教育を必要とする業務に追加されたため、足場の組立て等作業従事者は特別教育の受講が必要となりました。
足場の組立て等作業従事者の特別教育の受講内容
特別教育の内容は学科教育のみで、次の4つの項目の6時間を受講する必要があります。
- 足場及び作業の方法に関する知識
- 工事用設備、機械、器具、作業環境などに関する知識
- 労働災害の防止に関する知識
- 関係法令
受講後、受講証明書が交付され、作業主任者の指示のもと、足場の作業を行うことができるようになります。
建築物等の鉄骨組立て等作業主任者
これも足場の組立て等作業主任者と同様に、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習を修了した場合に与えられる国家資格です。
建築物の骨組み又は塔であって、高さが5m以上である金属製の部材により構成されるものの組立て、解体又は変更の作業を行う場合において労働災害の防止などを行う指揮監督者に与えられる資格です。
受講資格
建築物の骨組み又は塔であって、金属製の部材により構成されるものの組立て、解体又は変更の作業に関する作業に3年以上従事した経験を有する者。
または、大学、高等専門学校又は高等学校において土木又は建築に関する学科を専攻して卒業した者で、その後2年以上建築物等の鉄骨の組立て等の作業に従事した経験を有する者とされています。
講習科目
攻守科目は次の4つの項目となっています。
- 建築物の鉄骨の組立て等に関する知識
- 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識
- 作業者に対する教育等に関する知識
- 関係法令
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