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フルハーネス義務化による法令改正のポイント

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フルハーネス義務化による法令改正のポイント

労働安全衛生法(安衛法)が改正され2022年1月2日より建設業の事故防止のためにフルハーネス型安全帯の着用が義務化されました。

厚生労働省の報告によると建設業の死亡・死傷災害の自己要因のトップは「墜落・転落」であり、過去5年間、常に全体の約30%~40%を占めております。死亡災害に関しては過去3年連続で減少傾向になっておりますが、この内「屋根、はり、もや、けた、合掌」「足場」「建築物、構築物」を起因とする死亡災害は約50%を占めているそうです。

この状況を受け、厚生労働省は建設業における安全衛生対策の一つとして、フルハーネス型墜落制止用器具の適切な使用の徹底を掲げております。

今回のコラムでは、新規格の器具や法改正のポイントをご紹介します。

 

安全帯の法律が変わりました

墜落制止用器具に関する改正労働安全衛生法及び、労働安全衛生規則が2019年に施行されました。
それに伴い従来の胴ベルト型安全帯が、2022年1月をもって使用できなくなりました。
また原則フルハーネス型の着用が義務付けられました。

フルハーネス義務化による法令改正のポイント

ポイント①名称の変更

改正前は「安全帯」という名称でしたが、法令改正に伴い「墜落制止用器具」へ変更されました。

ポイント②6.75m以上での作業はフルハーネスの使用が原則化

6.75m以上の高さ(建設業は5m)で作業する場合は、必ずフルハーネス安全帯を着用しましょう。

6.75m(建設業は5m)以下の場合は、胴ベルト型の安全帯の着用も可能です。フルハーネスの使用も可能ですが、落下した際に足がつかない様にする等、墜落阻止時の衝撃を低減させる対策を行ってから使用しましょう。

旧規格品の構造規格に基づく安全帯(胴ベルト型・フルハーネス型)が使用できるのは2022(令和4)年1月1日までです。
2022年(令和4)年1月2日からは新規格の安全帯を使用しましょう。

<参考資料>
 「安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!」(PDF/厚生労働省)
 墜落制止用器具に係る質疑応答集(PDF/厚生労働省)
 正しく使おうフルハーネス(PDF/建設業労働災害防止協会)

ポイント③安全衛生特別教育の受講義務

下記業務に該当する労働者は、特別教育の受講が義務付けられました。

高さが2m以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務を行う労働者は「フルハーネス型安全帯使用作業特別教育」を受けましょう。
※ロープ高所作業に係る業務を除く。

●該当業務
「高さが2m以上の箇所であって作業床を設ける事が困難な所において、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務」

【特別教育の内容】

●学科科目

  • 作業に関する知識
  • 墜落制止用器具に関する知識
  • 労働災害の防止に関する知識
  • 関係法令

●実技科目

  • 墜落制止用器具の使用方法等

<受講方法>
 ・各実施会場にて受講
   建設業労働災害防止協会労働技能講習協会中小建設業特別教育協会 などで実施
 ・会社に外部の行使を派遣して実施
 ・自社で講師を育成(特定講習受講)→社内にて特別教育を実施
 ・Webで受講(実技講習は別途実施が必要)
 ★自社にて実施した場合は、受講者が確実に受講したことを証明する記録とその保管などが必要です。

 ※一部受講が省略できる場合もあるので下記資料をご参考ください。

安全衛生特別教育受講科目一覧

フルハーネス義務化による法令改正のポイントまとめ

法改正により、フルハーネス型の墜落制止用器具の着用が義務化されました。新規格の墜落制止用器具の導入で、労災事故「0」を目指しましょう。

フルハーネス取付イメージ

ASNOVA編集部

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