移動式足場とは？特徴、足場の組み立てに使う資材、注意点をご紹介いたします

今回は移動式の足場についてご紹介いたします。

一般的に足場といえば、工事中の建造物を囲うように組み立てられ固定されているものだと思われていますが、足場のなかには移動させることができ、利便性の高さに定評のある「移動式足場」があります。

移動式足場とはどのようなものなのか、わかりやすく解説していきたいと思います。

今回は移動式足場とは？特徴、足場の組み立てに使う資材、注意点をご紹介いたします。

移動式足場とは？
移動式足場を使う際の注意点
移動式足場の構造・設置・仕様等の基本原則
まとめ
ASNOVA編集部からのコメント

移動式足場とは？

移動式足場は、名前の通り移動させることができる足場のことを指します。
脚輪がついているので、押して移動させることができます。通称「ローリングタワー」とも呼ばれています。

工事の途中で動かす必要があるような設備工事などでよく使用されています。

タワー上に組み立てられた枠組み構造や、作業床・手すりなどの防護設備によって構成されており、昇降のための簡易的な階段もついています。

通常の足場を組むと場所を取りすぎてしまったり、移動できず再度組み直しなどの手間もかかります。また、解体する場合は、範囲も広くなれば、その分だけ人件費やコストもかかります。
そこで移動式足場なら、ピンポイントに移動させて使えることもあり、手間や人件費を大幅に削減することができます。

移動式足場は、厚生労働省が定めた指針があるので、これに沿った内容でなくてはいけません。

移動式足場には、「移動昇降式足場」と呼ばれるものもあり、これは労働者を構造物の作業箇所に近接させて作業させるため作業床が機械駆動方式の駆動部により上昇、下降する足場で、自らの動力を用いずに水平移動するものを指します。

はしご型建枠（幅は基本的に1,219mmで、高さは1,524mm、1,219mm、914mmの3種類があります）
キャスター
筋交
鋼製布板
手摺枠

移動式足場を使う際の注意点

移動式足場は動かせるからこそ取り扱い方法に気をつけなくてはいけない点があります。

作業をする場所に到着したら、まずは脚輪のブレーキをしっかりとかけて固定する必要があります。
移動させるときの注意点として、床に凹凸があるとこれが原因で転倒してしまうリスクがあることです。
移動式だからと効率重視ばかりにしないこと。

移動式足場の構造・設置・仕様等の基本原則

(1) 移動昇降式足場は、堅固な構造として、かつ、同足場全体のねじれ、変形、滑動等の生じるおそれのないもので、剛性が保持されている構造とする。

(2) 移動昇降式足場の各荷重による各部の応力は、その許容応力を超えないものとする。

(3) 移動昇降式足場は、作業者を乗せ昇降し、任意の位置に停止でき、停止した作業台上で作業をするため、昇降装置、ブレーキ装置、安全装置及び作業床等が堅固に取り付けられている構造とする。

(4) 移動昇降式足場は、作業台にかかる荷重が、マストに十分に伝わる構造とする。

(5) 設置者・使用者は、現場の条件(場所、期間、地盤、構造物の状況等）を調査し、製造者等の協力を得て調査結果に適応した設置・使用計画を立てる。

(6) 設置者・使用者は、移動昇降式足場の組立て、解体、マストの延長作業を含む変更（以4下「組立て等」という）の作業手順等を明確にする。

(7) 設置者・使用者は、各々の立場で移動昇降式足場の組立て等、使用等における労働災害防止のための措置を講じる。

(8) 製造者等は、設置者・使用者に対し、移動昇降式足場に関する安全上、必要な情報を提供し、使用者は、その情報に基づいて使用する。

(9) 設置者・使用者は、労働安全衛生関係法令で定める措置事項を順守する。

まとめ

いかがでしたでしょうか？移動式足場とは何か、特徴、足場の組み立てに使う資材、注意点をご紹介いたしました。

移動式足場は、移動できる利便性以外にも、組み立てることが簡単なので、高さの変更も柔軟に調整できます。
しかし、厚生労働省が定めた指針に沿って、転倒に注意し慎重に移動させることや、ブレーキをしっかりかけるのを忘れないようにしましょう。

改めて移動式足場のおさらいをしておきます。