ビティ足場(ビデ足場)とは?用途や特徴、設置基準などをご紹介
足場のTIPS
ビティ足場(ビデ足場)とは?用途や特徴、設置基準などをご紹介いたします。
建設現場で使用される足場は、作業の効率を上げるだけでなく、作業員の安全を守るためにも重要なものです。
足場には、くさび緊結式足場や単管足場、枠組足場など様々な種類がありますが、その中に「ビティ足場」と呼ばれる足場があります。
今回はビティ足場とは何か、用途や特徴設置基準などについて詳しく紹介しています。
目次
建設現場で使用されるビティ足場とは?
ビティ足場は、工事現場における枠組足場の一つです。
「ビデ足場」と呼ばれることもありますが、「ビティ足場」がより一般的な通称として使われています。
ビティ足場は、鋼管を門型に溶接した建枠を中心にジャッキベース・筋交・鋼製布板などの部材で構成される足場です。
建枠に上記の基本部材を組み合わせ、積み上げて構成する仮設足場で、主に建設現場のビルの外壁面に沿って設置されます。
ちなみに、「ビティ足場」は「ビケ足場」と名称が似ているので同じものだと誤認されていることが多いですが、「ビティ足場」は枠組足場の一種であり、主に中高層建築の施工に使用され、「ビケ足場」はくさび緊結式足場の一種で、主に低層住宅や低中層建築の施工に使用されます。
これら「ビティ足場」と「ビケ足場」は別の種類の足場になるので間違えないように注意しましょう。
ビティ足場(枠組足場)の特徴
- 足場の強度が高い
- 高層建築工事に使用される
- 比較的大掛かりな足場となるので、設置場所にはスペースを要する
- インチサイズ・メーターサイズの2種類がある
- ハンマーによる打ち込みがないため組み立て時の騒音が比較的少ない
ビティ足場の名称の由来
昭和27年に、枠組み足場が初めて日本に輸入された際に、アメリカのビティスキャホード社から輸入されたという歴史があるため、業界では通称として建枠のことを「ビティ」、枠組足場のことを「ビティ足場」と呼んでいます。
日本におけるビティ足場の歴史
日本で初めての枠組足場は、日鉄建材株式会社(NIPPON STEEL)によって開発されました。
日本における規格にはインチサイズとメーターサイズの2種類が存在します。
規格の異なるインチサイズとメーターサイズの2種類の部材の何種類かには互換性がありませんので注意が必要です。
大手会社のほとんどはインチサイズを採用していますが、比較的重いため物流コストを考えてメーターサイズを採用している会社もあります。
ビティ足場の基本構成部材
ビティ足場の基本構成部材は、建枠・ジャッキ・筋交・ジョイント・ピン・アームロック・布板・壁つなぎ・手摺です。
ビティ足場に関する「労働安全衛生規則」
平成21年6月1日施行の「労働安全衛生規則」の改正により以下の墜落・落下防止の措置が必要となりましたので、安全のためあわせてチェックしておきましょう。
- 交さ筋かい+幅木(高さ15cm 以上)
- 交さ筋かい+下さん(高さ15~40cmの位置)+メッシュシート
- 交さ筋かい+下さん・幅木と同等以上の措置(高さ15cm 以上)
- 手すりわく+幅木(高さ10cm 以上)
- 手すりわく+メッシュシート
- 手すりわく+幅木と同等以上の措置(高さ10cm 以上)
また、枠組足場に用いる基本部材は厚生労働大臣の定める規格(昭和56年12月26日付労働省告示103号及び104号)にて定められています。
その他の部材については一般社団法人仮設工業会が認定制度・承認制度・単品承認制度を設けられていますので、こちらもチェックしておきましょう。
建枠の許容荷重は高さ1800mm以下の標準枠の場合は42.6kN(4350kg)と定められています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ビケ足場とは何か、用途や特徴、設置基準について詳しくご紹介いたしました。
改めてビティ足場のおさらいをしておきます。
- ビティ足場は、枠組足場の一つ
- ビティ足場は、鋼管を門型に溶接した建枠を中心にジャッキベース・筋交・鋼製布板などの部材で構成される
- 昭和27年にアメリカのビティスキャホード社から日本に輸入された歴史から、枠組足場のことを通称「ビティ足場」と呼ぶ。
ASNOVA編集部からのコメント
「ビケ」はクサビ!「ビティ」は枠!です。とてもややこしい呼び名で似たような響きをしていますが、この2つはまったく別物です。ビケ足場とはくさび緊結式足場の、ビティ足場は鋼製枠組み足場の通称です!
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